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平成29年度 熊本地域医療センター 病院指標

年齢階級別退院患者数

​当院は、かかりつけ医の先生方と共同で診療を行う開放型病院であり、また、地域医療支援病院として、幅広い年齢層の患者さんに、紹介患者に対する医療と救急医療の提供を行っております。年齢層においては、60歳以上の占める割合が全体の約5割となっており、疾患別にみると消化器疾患、呼吸器疾患、次いで循環器疾患となっております。また、小児救急医療拠点病院として24時間365日、小児科医師による診療を行っていますので、10歳以下の占める割合も全体の3割となっております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

■小児科

小児科では気管支炎、上気道炎、喘息、肺炎といった呼吸器系疾患の症例が上位を占めています。
当院は小児救急医療拠点病院として24時間365日、小児科医師による診療を行っており、急性疾患の短期入院が多くを占めています。長期治療を要する疾患児や慢性疾患児は、患児にとってより相応しい他病院の小児科と連携して診療を行っています。

■消化器内科

消化器内科では胆管結石、胆管炎等の胆道疾患(悪性腫瘍も含む)の症例が多く、内視鏡的に治療しています。内視鏡治療については、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)をはじめ、先進的な取り組みを行っており、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)やEUS(超音波内視鏡)等による治療も充実しています。消化器がんも、診断から内視鏡治療、抗がん剤化学療法、緩和医療まで、高度な治療に取り組んでいます。また、当院は内科、外科も夜間休日診療を行っています。大腸憩室(大腸の壁が袋状に外に飛び出すくぼみ)のある方で、腹痛や発熱をきたす大腸憩室炎や大腸憩室出血、大腸の血流障害により大腸粘膜に炎症や潰瘍が発症し、腹痛・下痢・下血を来たす虚血性腸炎、炎症性腸疾患を含む腸炎の症例が多くなっています。早期胃がんの内視鏡的治療(EMR:内視鏡的粘膜切除術)も症例が多くなっています。

■消化器外科

消化器外科では胆石、胆のう炎の症例が多く、腹腔鏡下による胆嚢摘出術が症例数として多くなっています。次いで、比較的若年層における急性虫垂炎の緊急手術の症例が多くなっています。悪性腫瘍の治療においても症例が多く、大腸がん、膵臓がんの抗がん剤化学療法が上位に計上されています。治療方法が細分化されているため上位には計上されていませんが、胃がん、胆嚢・胆管がん、乳がん、肺がんの症例が以降に続いています。当院は熊本県指定がん診療連携拠点病院として、腹腔鏡下手術に加えて、膵がん、胆道がん、肝臓がんなどの高度な治療に取り組んでいます。

■呼吸器内科

呼吸器内科では、呼吸器疾患全般にわたる診療を行っており、肺の悪性腫瘍に対する抗がん剤治療や内視鏡治療(気管支鏡など)を精力的に行っています。症例数としては抗がん剤化学療法が多く、次いで、高齢者に特有の誤嚥性肺炎の症例が続き、平均年齢は85歳を超えています。肺胞の壁に炎症が起こり、壁が厚く硬くなり、肺の膨らみが悪くなる間質性肺炎の症例や、肺炎、気管支炎の症例が通年で高齢者を中心に多くなっています。肺炎は重症化しやすいため、入院期間も長くなる傾向にあります。

■循環器内科

循環器内科では、人口の高齢化に伴う高齢者の心不全症例が多くなっています。高齢者心不全は種々の心疾患を背景に、多くの問題を抱えているため、他診療科と連携しながら入院管理を行っています。次に多いのは狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患に対しての検査入院で、心臓カテーテル検査を行います。心臓カテーテル検査で冠動脈の狭窄や閉塞があった場合は、経皮的冠動脈ステント留置術を行い、冠動脈を拡張し、心臓への十分な血流量を確保します。徐脈性不整脈(洞不全症候群や完全房室ブロック等)の治療においては、ペースメーカー移植術を行い、調律の異常を補正します。

■代謝内科

代謝内科では、糖尿病全般、内科系甲状腺疾患、動脈硬化性代謝疾患を中心に診療を行っています。症例数としては、糖尿病の教育入院や、糖尿病の合併症(神経障害、網膜症、腎症、ケトアシドーシス(高血糖性の急性代謝失調))に伴う入院が多くなっています。
厚生労働省の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は「-」の表示としています。

■初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院は、熊本県より県指定がん診療連携拠点病院の指定を受け、がん治療を行うとともに、他医療機関(地元の開業医)と連携した診療を行うためのツールである「私のカルテ」を導入しています。
当院の5大癌の割合は胃癌25.0%、大腸癌33.4%、乳癌7.4%、肺癌28.3%、肝癌5.9%となっています。当院症例の特徴として膵臓癌が比較的多く、当院のがん症例全体の割合では 4位であり全体の約12%を占めています。
<胃癌>早期のStage Ⅰが半数近くを占め約53%、次にStage Ⅳが多く約29%となっています。早期がんには内視鏡治療が多く行われ、Stage ⅠからStage Ⅳの進行度に応じて手術・化学療法が行われています。
<大腸癌>Stage Ⅰが最も多く全体の約28%を占め、次いでStage Ⅲ・Ⅳがそれぞれ約25%、Stage Ⅱが13%で、それぞれの進行度に応じて手術・化学療法が行われています。Stage Ⅰでは内視鏡治療・手術が行われています。
<乳癌>Stage Ⅰが最も多く70%を占め、Stage Ⅱは24%です。進行度に合わせて手術が行われています。
<肺癌>Stage Ⅳが最も多く約49%、Stage Ⅲが約22%を占め、化学療法が主な治療になっています。Stage Ⅰ・Ⅱでは進行度に応じて胸腔鏡下切除術、化学療法が行われています。
<肝癌>Stage Ⅳが最も多く、肝動脈塞栓療法・ラジオ波凝固療法・化学療法が行われています。Stage Ⅰ~Ⅲでは進行度に応じて肝部分切除術・肝動脈塞栓療法・ラジオ波凝固療法が行われています。
厚生労働省の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は「-」の表示としています。

■成人市中肺炎の重症度別患者数等

市中肺炎とは、普段の日常生活の中でかかる肺炎のことです。
全体で見ると「軽症~中等症」までの割合が84%となっています。年齢別に見ると「軽症」の平均年齢は50歳台であり、「中等症~重症」は平均年齢80歳台前後の高齢者で、高齢になるほど重症化しやすく、平均在院日数も重症度が増すほど長くなる傾向にあります。
当院では呼吸器内科で肺炎の治療を行っており、併存する別疾患があれば、各診療科と連携し治療を行っています。
厚生労働省の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は「-」の表示としています。

■脳梗塞の患者数等

当院では発症日から3日以内の急性期脳梗塞の割合が高くなっています。平均年齢は78.7歳で、高齢者が多くなっています。
迅速な検査、治療後は自宅退院へ向けて、回復支援病棟(地域包括ケア病棟)にてリハビリテーションを行い、72%の方が自宅退院され、28%の方が継続リハビリテーションのために回復期を担う他医療機関に転院されています。

■診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

■消化器内科

消化器内科では、内視鏡を用いた手術症例が多く、胃・十二指腸、特に大腸(結腸から直腸)のポリープや腫瘍(腺腫、早期がん)に対する内視鏡手術を多く行っています。入院当日に手術することが多いので、短期入院での治療になります。胆道疾患(総胆管結石、胆管炎等)に対して胆汁の流れを良くするために、胆道にチューブを留置する内視鏡的胆道ステント留置術も多く行っています。消化管止血術は、胃潰瘍出血・十二指腸潰瘍出血の症例に対して行われます。経皮的内視鏡下胃瘻造設術は、経口摂取困難な患者さんに対して、胃の内視鏡を使ってお腹に小さな穴を開けて、そこから栄養補給を行うチューブを胃に固定する手術です。この手術は他の医療機関からの造設依頼がほとんどで、術後は紹介元の医療機関に戻られるので、転院率が100%となっています。

■消化器外科

消化器外科では、腹腔鏡下胆嚢摘出術を最も多く行っています。胆嚢結石症、胆嚢炎等の疾患での手術であり、入院期間は平均して8~9日間となっています。腹腔鏡手術は侵襲の少ない、患者さんにとってメリットが多い手術です。次いで開腹で行われる鼠径ヘルニア手術の症例が多くなっています。幅広い年齢層で手術を行っており、3割の症例が10歳未満となっています。入院期間は平均して5~6日間となっています。次いで腹腔鏡下虫垂切除術も侵襲の少ない手術として症例数が多くなっています。約85%は緊急手術となっており、小児から高齢者まで幅広い年齢層で手術を実施しています。入院期間は手術の重症度で差はありますが、平均して6~11日間となっています。
悪性腫瘍の手術は、切除部位や範囲により手術項目が細分化されているため上位には計上されていませんが、外科手術の3割は悪性腫瘍の手術で、大腸がん、膵がん、胃がん、胆嚢・胆管がん、乳がん、肺がんの症例が多くなっています。また、当院の特徴として、膵がん、胆道がん、肝臓がん等の手術も多く行っており、熊本県指定がん診療連携拠点病院として高度な治療に取り組んでいます。

■循環器内科

循環器内科では、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)に対する経皮的冠動脈ステント留置術を行っています。虚血性心疾患は、冠動脈(心臓に血液を供給する血管)の狭窄や閉塞によって、心臓の筋肉への血液の供給が不足し、心臓に障害が起こる疾患です。経皮的冠動脈ステント留置術はその狭くなった冠動脈を血管の内側から拡げるために行う治療です。また、徐脈性不整脈(洞不全症候群や完全房室ブロック等)の治療においては、ペースメーカー移植術を行っています。定期的に外来で動作チェックを行い、交換時期が訪れればペースメーカー交換術を実施します。
厚生労働省の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は「-」の表示としています。

■小児科

小児科では、乳幼児にみられる腸重積の整復術を行っています。腸重積とは、腸の一部が重なり合ってしまい、血行障害、通過障害をきたす病気です。治療は、X線透視下で空気により重積した腸を戻す非観血的整復術を行います。

■その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群と敗血症、その他の真菌症、手術・術後等の合併症について発症率を集計しています。
医療資源を最も投入した傷病名と入院の契機となった傷病名が同一かそれ以外で症例数を集計しています。
播種性血管内凝固症候群とは、全身の微小な血管の障害及び血管が詰まることにより臓器に障害が現れます。がんや重症の感染症など、非常に重い病気を持つ患者に発症することがあります。また、様々な感染症などから血液に病原菌が入り、敗血症になることがあります。
術後の合併症は、手術や処置などの医療行為がもとで生じる疾患です。起こりうる合併症について事前に十分な説明を行うとともに、院内感染対策委員会を設置し、感染の防止に努めています。
当院の術後合併症名の内訳は、大腸ポリープ切除後の出血が31%、術後膿瘍が25%、術後吻合部狭窄が25%、予防接種後の副反応が19%です。
厚生労働省の集計条件に基づき、患者数が10未満の場合は「-」の表示としています。