診療科紹介

外科部門は常勤医 6 名、非常勤医 4 名で診療しております。いつでも必要な時には“すぐにでも入院が可能”なのが当院の特徴です。“どんな疾患でも、昼夜を問わず”、当日の外科外来担当(夜間は当直医)までご一報いただければ、迅速に対応させていただきます。ただし、整形外科疾患、心臓血管外科疾患につきましては、専門医がおりませんので他院へご紹介いただければと思います。

上部消化管外科

上部消化管疾患では食道癌、食道アカラシア、食道裂孔ヘルニア、胃癌、胃 GIST、胃・ 十二指腸潰瘍(出血、穿孔例)などを取り扱っています。その中で多いのは胃癌であり、図1に手術症例数の年次推移を示しています。近年腹腔鏡下手術件数が増加しています。腹 腔鏡下手術は主に早期癌を対象とし D1+ 郭清を行います。腹腔鏡下幽門側胃切除術、腹腔鏡下 胃全摘術、腹腔鏡下噴門側胃切除術を行っています。腹腔鏡手術は超高齢者などの低侵襲が望まれる 症例では進行癌にも行う場合があります。図2 に術式別手術件数を示しています。進行癌 / リンパ節転移 症例などでは、主に開腹手術(D2 郭清)を行っています。また、これらの症例では、適応があれば治療の効果を上げる目的で術後補助化学療法を行います。当センターでの胃癌術後長期成績(生存曲線)を図3 に示します。胃癌または胃潰瘍手術後の残胃にできた癌のことを残胃癌といいます。その発生率は胃癌全体の1- 2%と少ないのですが、進行癌の場合には予後が不良といわれています。当科における過去 28 年間 80 例の残胃癌手術症例を調査しましたところ、通常の胃癌よりもやや低くなりました。また、進行残胃癌 (pT3/pT4) においては脾摘を伴うリンパ節郭清が予後の改善につながる結果となりました。その理由は 進行残胃癌 (pT3/pT4) における高率の脾門部リンパ節転移(30.4%)によると考えられました。この結果は欧文雑誌 Surgery に掲載され(参考文献:Sugita et. al. Surgery 2016;159:1082-1089)、2018 年 改訂胃癌治療ガイドライン第 5 版(日本胃癌学会)に引用されています。

下部消化管外科

■  【 特徴 】
大腸および小腸のがんや、腹膜炎、腹腔内出血などの緊急疾患に対し、消化器内科、放射線科および麻 酔科などと協力し、迅速かつ最適な治療を行っています。腫瘍が大きい場合や遠隔転移のある場合でも、 術前に化学療法を行って治癒切除を目指します。また、直腸癌では病状に応じて化学放射線療法を行うことがあります。当院における2015年から2020年までの469例の大腸がん手術例(非治癒切除も含む)の生存率は Stage Iで90%、Stage IIで78%、Stage IIIで67%、Stage IVで19%となっています。2020年の大腸がんの手術症例は68例で、うち57例(84%)を腹腔鏡で行っています。切除不能の進行・再発大腸癌、治癒切除後の進行癌で再発の可能性が高い方においては、日本の大腸癌治療ガイドラインや海外の治療ガイドラインを参考にして、年齢・全身状態を考慮しつつ、患者さんの希望に沿った満足度の高い化学療法・分子標的薬治療・免疫療法を、消化器内科と協力しながら行っています。
■  【 取り扱う疾患 】
1. 大腸悪性疾患(結腸・直腸癌、GIST など)
2. 小腸悪性疾患(癌、GIST など)
■  【 手術症例数 】
主な疾患の年間手術件数(2020 年)は以下の通りです。 結腸・直腸癌:68 件(開腹 11 件・腹腔鏡 57 件) 虫垂炎:90 件(開腹 1 件・腹腔鏡 89 件)腸閉塞:25 件(開腹 2 件・腹腔鏡 23 件)
3. 小腸・大腸の良性疾患(憩室炎、腸閉塞、クローン病、潰瘍性大腸炎)
4. 小腸・大腸の緊急疾患(絞扼性腸閉塞、急性腸間膜虚血、小腸穿孔性腹膜炎、大腸穿孔性腹膜炎)

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肝臓・胆道外科

肝臓癌(肝細胞癌・肝内胆管癌・転移性肝癌)、胆道癌(肝門部胆管癌・中下部胆管癌・胆嚢癌・十二 指腸乳頭部癌)などの悪性腫瘍のほか、胆嚢結石症、総胆管結石症、先天性胆道拡張症、膵胆管合流異常 症、門脈圧亢進症などに対する手術を行っています。

1) 肝臓癌
  肝細胞癌に対しては、肝癌診療ガイドラインを参考にがんの根治性と切除の安全性に配慮し切除率や 肝予備能から術式の選択「肝切除:肝葉切除、区域切除、亜区域切除、部分切除」や「局所凝固療法(経皮・鏡視下・開腹下):ラジオ波凝固療法、マイクロ波凝固療法
」を行っております。肝切除は可能な症例は腹腔鏡手術を行い、低侵襲化を目指すとともに ICG 蛍光法を用いた工夫などにも積極的に取り組んでいます( 図8 )。また、切除不能例では薬物療法、肝動脈塞栓療法、放射線療法を他科との協力のもと行っています。肝内胆管癌では、肝内胆管癌診療ガイドラインを参考にしつつ、根治切除が可能な場合、積極的な肝切除を行います。胆管浸潤の有無により肝外胆管切除も併施し、リンパ節腫大のある場合や、多発病変の場合、適宜新規抗癌薬も含めた術前の化学療法を行い、切除の適否を判定します。また、大腸癌肝転移でも、集学的治療を行い、癌遺残のない切除が可能な症例については肝切除を行うことで根治を目指しております。


2 ) 胆道癌
  胆道癌に対しては手術が唯一根治を期待できる治療法であることから、遠位( 中下部 )胆管癌、十二指腸乳頭部癌では亜全胃温存膵頭十二指腸切除、胆嚢癌では腫瘍の局在・進展度に応じて肝切除を伴う 根治切除を行っております( 図9 )。切除不能例では抗癌薬治療、胆道ステント留置などの緩和治療を行います。肝門部胆管癌では腫瘍の局在・進展度に応じて肝葉切除+肝外胆管切除を行い、切除肝容積が 60% 以上の場合、門脈塞栓術を行い十分な残肝予備能を確保して手術に臨んでいます。

 

3 ) 良性疾患
  胆嚢に対しては、発症時期などを考慮して可能な限り早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。また、脾腫を伴う門脈圧亢進症の血小板増加・肝機能改善のために腹腔鏡下脾臓摘出術も行っています。 そのほかに有症状の肝嚢胞に対しては腹腔鏡下肝嚢胞開窓術を行い、症状改善を認めています。

膵臓外科

当院における膵臓外科の特徴は次の 3つです。

1. 血管合併切除の積極的併施による手術適応決定 : 膵臓癌の予後は、切除できたか否かで大きく違ってきますので、当院では、門脈―大循環もしくは門脈―門 脈バイパスを用いた上腸間膜静脈―門脈の合併切除、自家血管グラフトによる間置再建、上腸間膜静脈多数本分枝の一本化形成後再建など、外科の技術を駆使して切除率を高めています。現在進行膵癌の切除適応分類として切除境界(borderline resectable)膵癌の概念が浸透していますが、当院の切除境界膵癌の占める割合は 20% 強と高い割合を占めています。

 

2. ノータッチ膵切除術(no-touch pancreatectomy) : 癌の手術においては、病巣を触ると病巣の内圧を高めて癌細胞をばらまくような操作につながる可能性が あります。これは膵臓癌の手術においても同様でありますが、当院では病巣を触らずに切除する手術術式
(no-touch pancreatectomy)を開発し実践しています(Hirota et al. Scand J Surg 2012, J Pancreas 2017)。2010 年以降 10 年間で 156 例の膵癌手術を施行し、根治手術(R0)ができた場合(R0 施行 率 86%)の 5 年生存率は 37% と良好な成績を上げています。抗癌剤や放射線治療などの集学的治療により、膵癌治療成績は確実に改善してきています。さらに、周術期の膵臓に特化した栄養管理・糖尿病管理や、再発・進行癌に伴う症状緩和治療などふまえた生活の質にも重点をおいた診療も行っております。

3. 膵実質温存手術(regional pancreatectomy) : 膵臓癌では、癌組織を残さない手術を目指して癌周囲の組織を広く切除しますが、一方、良性や低悪性度の腫瘍では、膵臓実質をできるだけ温存し、患者さんの術後 QOL の維持を目指す膵実質温存手術(regional pancreatectomy)を行います(Hirota et al. Am J Surg 2008)。特に、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は、近年発癌母地としての病態の理解が深まり、手術の機会が増えています。膵鈎部と膵体尾部に発生した IPMN に対して、膵頭下部+脾動静脈温存膵体尾部切除といった膵機能温存手術(Hirota et al. J Minim Invasive Surg Sci 2013)が可能となります。残念ながら、2020 年 4 月にコロナの院内感染を認め、外来・入院ともに大きな打撃をうけま したが、感染対策に取り組み、病院としての機能や症例数は回復しています。

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ヘルニア外科

■ 【 特徴 】
鼠径ヘルニアは、腹部と下肢の境界付近の腹壁のやや脆弱な部分から、腹腔内の脂肪や腸管、膀胱などが筋層内や皮下に脱出する状態です。局所の痛み、不快感が主な症状ですが、腸管が脱出して、ヘルニア内にはまり込む“ 嵌頓( かんとん )”という状態になります と 、緊急処置や手術が必要になります。“ 病気 ” というよりも体の構造の “ 歪み ” のようなものであり、内服薬や装具での根治方法はないため、手術が唯一の治療法です。脆弱になっているヘルニアの出口部分 ( ヘルニア門 ) の補強手術を行いますが、 近年の標準手術は人工補強材( ポリプロピレン製などのメッシュ )を用いて補強を行う方法です。さらに、鼠径部に直接アプローチする前方切開法と、鼠径部から離れたところからアプローチする腹腔鏡下手術に大別されます。前方アプローチ手術は鼠径部に 4 から 5cm 程度の皮膚切開を行い、メッシュを用いて補強を行う方法です。従来からある方法で、全身麻酔を必要とせず、脊椎麻酔、局所麻酔で手術が可能であるため、 呼吸器疾患、循環器疾患などをお持ちの方でも行える方法です。腹腔鏡下手術は近年行われるようになった方法であり、腹部に 0.5 から 1.2cm 程度の傷を 3 ヵ所 あけ、腹腔内あるいは腹壁内からの操作にて、メッシュを用いてヘルニアを修復する方法です。全身麻酔を要する、手術時間がやや長いなどのデメリットがありますが、傷が小さい分、術後の疼痛が少ないというメリットがあり、当院では積極的に腹腔鏡手術を行っています。患者さんそれぞれに安全で適切な手術方法を提案させて頂いております。その他、関連疾患として、 大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなどがあり、これらのヘルニアに対しても手術を行っています。


■  【 取 り 扱 う 疾 患 】 内・外鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア
 

■  【 手 術 症 例 数 】
年間手術数(2020 年)は以下の通りです。

前方アプローチ手術(主にクーゲル法):  54 例 腹腔鏡下手術(TAPP 法 および TEP 法):46 例

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呼吸器外科

肺癌は近年増加傾向にある疾患であり、検診や各種画像診断の向上により早期肺癌が発見されることが増加しています。肺癌の標準治療は肺葉切除 + 縦隔リンパ節郭清であり、近年は胸腔鏡下に手術を行うことが一般的となっております。また、大腸癌による転移性肺腫瘍(肺転移)に対しては、根治が可能な症例に関しては、積極的な切除が推奨されています。これら悪性腫瘍と診断された場合には、熊本大学呼吸器外科に紹介し、手術の依頼を行っております。また、良性疾患として、自然気胸と呼ばれる疾患があります。若い、痩せた男性に多い疾患で、肺にブラと呼ばれる袋が形成され、何らかの理由でブラが破けて、肺が縮まる緊急性のある疾患です。根治的には手術が必要で、当院にて手術は可能です。腹腔鏡下ブラ切除を行い、胸腔ドレーンは早期に抜去する方針としています。短期入院での治療が可能であり、術後 2 ~ 5 日程度で退院可能であり、患者さんのニーズに合わせた対応が可能です。

乳腺外科

乳がんは近年増加傾向にあり、女性の罹患数は大腸がんを抜いて 1 位となっています。一方、死亡率は 決して高いわけではなく、全がん死亡率中 5 位となっています。リンパ節転移のない 2cm 以下の乳がんでは 10 年生存率は 90 %以上であり、リンパ節転移があっても転移個数が数個と多くなければ、適切な治療を受けることで 80%以上の方に 10 年生存が望めます。“乳がん”と一括りに語られることが多いですが、実は遺伝子背景やホルモン感受性の有無などからいくつかのサブタイプに分類されます。これらのサブタイプごとにそれぞれに合った治療を選択していくことで高い治癒率を望むことが出来ます。このため、進行度とサブタイプ毎に治療法が異なっており、専門 医と相談しながら治療法を決定していく必要があります。当院では手術治療を中心に、検診後の精密検査や術後の補助療法、再発後の治療などの乳がんの治療を行っています。手術治療には大きく分けて乳房を残す温存手術と乳房をすべて切除する乳房全摘除術があります。また、腋窩リンパ節に対しては術中に検査を行い、検査結果を踏まえて、摘除したほうがよい方にだけリンパ節郭清を行うセンチネルリンパ節生検を基本治療としています。検査結果が出るのに 30 分 程度かかりますが、乳房手術と同時に施行でき、負担の少ない検査となっています。

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杉田先生写真(背景透明)

外科

杉田  裕樹 (すぎた ひろき)

役職:院長

卒業年度:昭和63年卒

外来診察日:木曜日

セカンド・オピニオン外来:月曜日​(予約制)

資格等

●消化器外科・肝胆膵外科
●内視鏡外科・一般外科
●日本外科学会認定医・専門医・指導医
●日本消化器外科学会専門医・指導医
●日本がん治療認定医機構がん治療認定医

Fellow of American College of Surgeons(FACS)

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外科

増田 稔郎 (ますだ としろう)

役職:外科部長

卒業年度:平成12年卒

外来診察日:火曜日

資格等

●消化器外科・肝胆膵外科

●日本外科学会専門医

●日本消化器外科学会専門医・指導医

●日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医

●日本肝胆膵外科学会評議員

●日本がん治療認定医機構がん治療認定医

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外科

岡部  弘尚 (おかべ  ひろひさ)

役職:外科医長

卒業年度:平成14年卒

外来診察日:金曜日

資格等

●消化器外科●肝胆膵外科

●内視鏡外科●一般外科

●日本外科学会専門医・指導医

●日本消化器外科学会専門医・評議員

●日本内視鏡外科学会技術認定医

●日本肝臓学会専門医

●日本膵臓学会指導医

●日本消化器病学会専門医

●肝胆膵外科学会評議員

●消化器病学会 九州支部評議員

●日本がん治療認定医機構がん治療認定医

Fellow of American College of Surgeons(FACS)

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外科

黒木  秀幸 (くろき ひでゆき)

役職:常勤医師

卒業年度:平成18年卒

外来診察日:月曜日

資格等

●消化器外科

●日本外科学会専門医

●日本消化器外科学会消化器外科専門医

●日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医

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外科

黒田  大介 (くろだ だいすけ)

職:常勤医師

卒業年度:平成22年卒

外来診察日:水曜日

資格等

●消化器外科
●一般外科
●日本外科学会専門医

●日本がん治療認定医機構がん治療認定医

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外科

上村  紀雄 (うえむら  のりお)

役職:常勤医師

卒業年度:平成25年卒

外来診療日:木曜日(午後)

資格等

●消化器外科・一般外科

●日本外科学会専門医

●日本消化器外科学会消化器外科専門医

●日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医

●日本がん治療認定医機構がん治療認定医

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外科

廣田  昌彦 (ひろた まさひこ)

役職:嘱託

卒業年度:昭和58年卒

外来診察日:月曜日(午後)

​消化器腫瘍外来:月曜日(午後)

資格等

●消化器外科
●肝胆膵外科

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外科

有田  哲正 (ありた てつまさ)

役職:非常勤医師

卒業年度:昭和52年卒

外来診察日:金曜日

資格等

●消化器外科
●一般外科
●日本消化器外科学会認定医

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外科

八木  泰志 (やぎ やすし)

役職:顧問(非常勤)

卒業年度:昭和45年卒

外来診察日:月曜日

資格等

●消化器外科
●一般外科
●日本外科学会認定医
●日本消化器外科学会認定医

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外科

日髙  香織 (ひだか かおり)

役職:非常勤医師

卒業年度:平成27年卒

外来診察日:火曜日

資格等

●マンモグラフィー読影医

●乳腺/内分泌外科